1993、2016、1984 をめぐって――日浦孝則氏とのやりとり

1993、2016、1984 をめぐって――日浦孝則氏とのやりとり

高校の同級生の日浦孝則氏は、私と同じく瀬戸内海の島の出身で、大ヒット曲『夏の日の1993』で知られるミュージシャンです。自らhttp://1993.jp/ というドメインを取得してウェブサイトを開設するほど、1993 という数字にこだわる男です。彼が 2015 年の末の車検の際に「1993」というナンバーを取得したという FaceBook の書き込みを受けて、1993 という数について思いついたことを書きこんだところ、けっこうおもしろいやり取りになりました。本人の許可を受けて下にご紹介します。

 

●日浦 孝則さんが新しい写真2枚を追加しました (2015年12月28日)

車検の時期が来たんです。来月末まで有効だったんですが、FANTASTIC 4 のツアーがあってドタバタするの嫌だから、丁度1ヶ月前の今日、ユーザー車検受けて来ました。ナンバーも練馬から杉並へ!

もちろん、1993のプレートです!

 

★Tadahisa Hamada (2015年12月30日)

ナンバープレートまで 1993 とは、すばらしい!

せっかくなので、1993 はどういう数か、ちょっと考えてみたよ。まず、三つ子素数の組(1993, 1997, 1999)の最小の数で、素数なので掛け算の形にはしにくいけど、下のような表し方もできる。

 

1993 = 123 * 4 * 4 + 5 * 5

1993 = 5^5 - (4^4 + 3^3) * 2^2 * 1^1

1993 = 1*9*9*3 * 1*9 -93 - 1+9-93

1993 = 19*93 + 1*9*9*3 + 1+9-9*3

 

それで、車検を受けたのが12月28日ということですが、12は約数を6個もつ高度合成数、28も約数を6個もつ完全数だよ。ついでに、2015の素因数の和は49で、これは最初の6個の高度合成数の和に等しいよ!

 

●日浦 孝則 (2015年12月31日)

1993って素数だった!? 三つ子素数ってのも調べて初めて知ったよ。(p,p+2,p+6)または(p,p+4,p+6)の形をした素数の三つ子! 面白い! で、計算式、そんなにうまい事なってんのー? 本当かな〜?

って思ってやってみた。 本当だー!! 何で? あっ、でも、下から2つ目のは、+1-9 じゃない?

 

高度合成数、それ未満のどの自然数よりも約数の個数が多いもの。

完全数、その数自身を含めない全ての約数の和がその数になる。

 

2015 に関しては頭がパンクしてしまったわー!

 

不思議な数字の集まった日だったんだなあ。

 

しかし、浜田凄いなあ! さすが数学博士だ!

 

何だか、数字って、相互に繋がってるのかね?

 

最初の計算式は、誰かが法則を見つけたのかな?

 

最初の完全数が6なのは神が6日で世界作ったから、次の完全数が28なのは、月の公転周期、、、

末尾は、6か8、、、 何だか、トムハンクスの映画を見たくなるなあ。

 

★Tadahisa Hamada (2015年12月31日)

ありがとう! こんな数学マニアに付き合ってくれて。下から2つ目の式は、確かに

1993 = 1*9*9*3 * 1*9 -93 + 1-9-93

だね。失礼しました。^^;

 

最初の計算式は、1993から25を引いた1968を素因数分解すると 2^4*3*41 で、41 の3倍が 123 なので、2^4 を 4*4 と書き換えてできたよ。3 と 41 を見ると直ちに 123 が思い浮かぶ習慣ができていれば、この式を思いつくのは不可能ではないだろうね。

 

欲を言えばもうちょっときれいな式を作りたかったけど、今のところこれが限界です。

 

ところで、偶数の完全数はすべて 2^(n-1)*(2^n - 1) という形で、2^n - 1 が素数のときに完全数になる。来年の 2016 は 2^5(2^6 - 1) と表せ、見かけ上は完全数と同じだけど、残念ながら 2^6 - 1 = 63 は素数ではないので、2016 は完全数にはならない。でも完全数と同じ形なので、何か名前がつくといいのに、と思って何か特有の性質が言えないかなと考えてみたけど、さすがにすぐには見つけられないね。

 

●日浦 孝則 (2015年12月31日)

いや~!脱帽!十分綺麗な式だし、1993という数字を見て新たに考え着いたとは!!ほんとにビックリしたよ~!

偶数の完全数は式に出来るんだね!確かに、数字を入れていくと、末尾は6か8になる。へ~!

2016 は 2^5(2^6 - 1) と表せ・・・

なるほど、(2^6 - 1) が素数でないと、その分だけ、約数が増える?

63=3^2*7、ということは、 2^1*3 や 2^2*7 という完全数の倍数だから、完全数倍数 ってのはどうなん?

 

★Tadahisa Hamada (2015年12月31日)

小町算も作ってみたよ。逆順の方は最後に 0 を使ってしまったけど。

 

1993 = 1234+(5+6)*(78-9)

1993 = 987+6+5*4*(3+2)*10

 

●日浦 孝則 (2015年12月31日)

またしても!

ねえ、こいうのって、どんな数字でも考えれば、何かしら見つかるの?それとも、1993は見つけやすかったの?

 

★Tadahisa Hamada (2016年1月2日)

どんな数字でも何か見つかるかどうか、わからないけど、どのくらい執念をもって探すかにもよるような気がするね。1993 の場合は 1 から 5 までの連続する数や、1 9 9 3 の繰り返しで見つかったけど、連続する素数だったり、その人の誕生日の日付を組み合わせることで見つかったり、いろいろだね。どういう配列を面白いと感じるかは人間の感覚なので、こういうことはコンピュータにやらせるのは難しいように思う。

 

あれこれ数式をこねくり回しているうちに、美しい式が天から降ってくるように感じることがあって、ひょっとしたら歌を作る時も同じようなことがあるんじゃないかな、と思うけど、どうでしょうか。

 

数字を見て真っ先に考えるのはその素因数分解だね。たとえば 2015 だったら

2015 = 5 * 13 * 31

なので、並べ替えると

2015 = 13 * 5 * 31

と、左右対称になる。これは安直だけど、2016 だったら

2016 = 2^5 * 3^2 * 7

と表せるので、小町算を作ろうと思ったら、7、8=2^3、9=3^2 で割り切れることを利用できそうだとすぐにわかる。つまり、

2016 = 4 * 7 * 8* 9

と表せるので、1 から 6 までの数を並べて 4 を作ればいいとわかる。なので、たとえば

2016 = (1*2-3+4-5+6)*7*8*9

とか、

2016 = (1+2*3-4-5+6)*7*8*9

など、いろいろ作れるよ。

 

と書いていたら、隣に座っていた高1の息子が、

 

2016 = (1+2+3+4+5+6+7)*8*9

 

という式を作ってくれた。これは見事だね。ぼくは 2016 の素因数分解の形から、7 と 8 と 9 を先に切り離して、残りの 1 から 6 で 4 を作ることばかりを考えていたけど、息子は 8 と 9 で割り切れることを見つけた後、残りの 1 から 7 で 28 を作ることを考えたので、上の式が浮かんだみたいです。う~む、若い人の発想にやられてしまいました。^^;

 

ちなみに、2016 = 63 * 32 をじっと見て分解すると、

 

2016 = 1 + 2 + 3 + ... + 63

 

という和の公式にも当てはまることがわかる。これは中学や高校の数学の授業などでも使えそうな題材だね。実は日浦君の「完全数倍数」の形の数はすべてこの形に表せるよ。

 

●日浦 孝則 (2016年1月2日)

なるほどー。

凄いわ。

息子さんの数式は凄かったねえ。

 

●日浦 孝則 (2016年1月2日)

そういえば、単純に、2016=2048-32 =2^11-2^5 ってシンプルに表せる年っていうのは!

 

★Tadahisa Hamada(2016年1月2日)

シンプルでいいと思う。2進数で表すと 11111100000 になるんだけど、実は 1984 もよく似ていて、 2^11 - 2^6 で、2進数で表すと 11111000000 になる。1984 年の年賀状はこれをネタにして、オーウェルの "1984" にも引っかけて書いたのです。

 

2016 と 1984 は2進数表記も対称的 (2016 は 6 個の 1 に続いて 5 個の 0、1984 は 5 個の 1 に続いて 6 個の 0)だし、足しても 4000 になる。つまり 2016 年と 1984 年はミレニアムの 2000 年を中心にして対称の位置にある年なんだよね。面白い年になるといいね。

 

●日浦 孝則 (2016年1月3日)

ほー!そうなるのねー!

2のべき乗だから確かに二進法にすると見た目が超シンプルな結果になるねえ。

いやー、面白いなあ。

1984年に俺東京に行くことに決めて1985年に出て来たんだよね。

ほんと、面白い年になると良い!

 

★Tadahisa Hamada (2016年1月5日)

そうか。1984年は一念発起の年だったんだね。それから数えても32年、いろんなことがあっただろうと思うけど、本当に素晴らしい活動を続けていると思うよ。好きなことを続けるということは大切だね。

 

大したことではないんだけど、今朝、寝床の中でまた式が浮かんだよ。

 

2016 = 6^4 + 6!

 

シンプルなところはいいと思うけど、もうひとひねりできないかと考えてみた。

 

2016 = 1 * 2 * 3 * 4 * 5 * 6 + (7 + 8 + 9) * (10 + 9 + 8 + 7 + 6 + 5 + 4 + 3 + 2) * 1

 

う~む。最後に "* 1" とせざるを得なかったところがちょっとイマイチだけど、許して。

 

もうちょっと数字を減らすなら、

 

2016 = 1 * 2 * 3 * 4 * 5 * 6 + (78 + 9 + 10 + 11) * 12

 

かな。1993 から離れたので、そろそろ打ち止めにしなければね。

 

でも、さすがに数字にこだわる男、日浦孝則だね。こんなに楽しいやりとりができるとは思わなかったよ。今年も素晴らしい歌を聴かせてください。

 

●日浦 孝則 (2016年1月5日)

面白かったよ!

ありがとう。

今度、ゆっくり日本酒でも飲みながら時間を共有したいもんだね!

コメント

面白いパズルを見つけました。マクロツイーターという TeX 関係のブログで、2016 年のパズル年賀状 というものです。なかなか高度です。あまりヒントになることを書くと解く楽しみを奪うので、鍵は「6」とだけ書いておきます。

作者は 電脳世界の奥底にて という TeX/LaTeX 関連の多言語処理に関する情報が満載のウェブサイトを運営されている方です。

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