【書籍紹介】フランク パヴロフ(2001=2003)『茶色の朝』

【書籍紹介】フランク パヴロフ(2001=2003)『茶色の朝』

ずっと前に図書館に予約したのですが、区内の図書館の棚から消えてしまったということで、他区から取り寄せていただく形でやっと読むことができました。

想像していたよりずっと薄く、挿絵ページを除く本文14ページ、高橋哲哉氏によるメッセージ13ページで、一気に読み終えました。

全体主義は日常の何気ないところから入り込み、徐々に反対できない雰囲気を醸成し、いつの間にか人々は全体主義に守られた安心を求めるようになっていく。また、ゆっくりした変化の中で、抵抗する力も奪われていくが、そのことに気づくことはできない。ふと、「これはあまりにおかしい」と気がついた時には、想いを共有する友もいなくなっている。このように、社会がある特定の色に染まっていく様を、淡々とした筆致でみごとに描いています。

原著者のパヴロフは、フランスにおいて極右政党の台頭が進む中で、特に若い世代に読んでほしいと考え、印税を放棄し、2001年に1ユーロの定価で出版したそうです。日本語訳は2003年にイラク戦争が激化する中で準備され、その年の12月8日に出版されました。

全体主義が進みつつある国に住む人は、その国の中だけを見ていてはそのことに気がつかないのだと思います。歴史に学び、他国と比較したり、他国の人々が自分の国をどのように見ているかを知ろうとするなど、不断の努力が必要ではないでしょうか。

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