天地逆のそろばんについて

天地逆のそろばんについて

11日(日)、日本数学協会の年次大会に誘われて参加してきました。とても有意義な一日でした。

ワークショップとして、田村聡子先生による「珠算をとりいれた算数教科書「そろばんで さんすう」の作成について」があり、その中で、一つのやり方だけではなくて、いろんなやり方を表現できることが大事、いろいろなやり方を自分で編み出していく多様性を育みたい、という発言があり、全くそのとおりと思いました。

思わず手を挙げて、私の小学時代の思い出を話しました。そろばんには天の珠が1つ、地の珠が4つあるのはどうしてか、という疑問から、天の珠で2通りの状態を表現でき、地の珠で5通りの状態を表現できることに気づきました。すると2×5で10通りの状態を表現できることになる。ここで、かけ算の交換法則と同じように、天と地を逆にしてもそろばんが作れるのじゃないか、と考えたのです。詳しい説明を「計算術の根本原理」(http://www.computician.net/dr/node/16)に書きましたので、よろしければご覧ください。

ところが、当時その発見を理解してくれる人は周囲におらず、とても落ち込みました。奇数と偶数の区別が即座につくということ以外、普通のそろばんと比べて特に優れた点はないと思うので、わざわざこのやり方で計算するべきということを言うつもりは全くありませんが、 「天地逆のそろばんが可能である」 という事実を知ることは、数学的なものの見方を養う上で必ずプラスになると思うのです。

ワークショップ終了後、田村聡子先生とも少しお話ししましたが、このような考え方は珠算の専門家の間でも聞いたことがないということでした。

わかってみれば何でもないことなのですが、このような説明を、この歳になるまでどこにも見つけることはできなかったので、記しておく意味はあるのではないかと考えました。

コメント

多方面からさまざまな反響をいただき、ありがたく思っています。でも、言われてみれば、本当になんでもないことですよね。真の天才にとっては当たり前すぎてあえて書き残さなかっただけのことかもしれません。

私くらいの人間にとっては、「けっこう面白い事実なのにどの本にも書いてない」ことなので、一言書いておく意味はあると考えた次第です。

もちろん、すでにどこかで誰かが書いていても不思議ではないことだと思います。私も大学の授業では、コンピュータのアルゴリズムの話の前段として話したことは何度かあります。

それから、実は写真のそろばんは珠の配列にも仕掛けがあるのですが、お気づきでしょうか? 写真を撮る時に、ふといたずら心が湧いて、その場の思いつきで作った配列ですが。

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