プラトンから素因数色彩の理論へ

昨日、飯高先生の講座の中で、新しい研究発表をさせていただきました。「プラトンから素因数色彩の理論へ」と題したもので、プラトンが『法律』の中で都市の適正な戸数規模を 5040 とした理由を考察する中で高度合成数について調べ始め、「素因数色彩」という概念の着想に至った経緯を話しました。

荒唐無稽に思われるアイデアかもしれませんが、いろいろ興味深い結果が導かれます。この中にはすでに知られているものもあるかもしれませんので、先行研究を調べたいと思っていますが、どのように検索すればよいか、悩んでいます。昨日聞いていただいた中では、「全く聞いたことがない」と言われましたが、どこかでつながりのある研究はあると思いますので、時間のある時に探してみたいと思います。

「エレガントな解答」で紹介されました

『数学セミナー』の「エレガントな解答をもとむ」というコーナーに、今年の1月号の問題からなるべく投稿するようにしてきました。正解者として名前が載るだけでもうれしいことですが、今日発売の7月号(4月号で出題された問題)でも、本文中で私の解答を紹介してくださいました。問題は (1)、(2) と分かれているのですが、(1)、(2) を順番に解いた後、(2) を少し拡張した定理が成り立つことに気づき、その定理を使えば (1) が簡単に解けることを示したものです。

『数学セミナー』2017年7月号これで、4月号から4号連続で本文中で紹介していただいたことになり、自分でも大変驚いています。と思ったら、6月号の問題の提出期限を過ぎてしまっていました。このところ非常に忙しくなり、時間のある時に解こうと思って、まだ問題にも目を通していませんでした。今年度はもうあまり時間が取れなくなるので、しばらく、コンスタントに投稿するのは難しいかもしれませんが、なるべく時間を捻出していきたいと思っています。
 

有理数と等比級数

昨日3月11日発売の『数学セミナー』2017年4月号の「エレガントな解答をもとむ<解答>」で、私の解答が本文中で紹介されました。

『数学セミナー』2017年4月号これは、1月号に出題された問題で、熱心な中学2年生からのある質問に対してエレガントに解答してください、というものでした。私自身、若い人に様々な数学の概念を、要求される予備知識を最小限にして(要するになるべく平易に)説明することはとても重要なことと思っているので、こういう問題で私の解答が評価されたのは本当にうれしく思います。本文中で私の名前を5回も挙げて、随所に私の解答を引用してくださり、正解者の中でも特に「エクセレント」と評価された2名のうちに挙げてくださいました。これは、十代の頃に送った解答が「最高にエレガント」と評価されて以来のことで、大変ありがたく思います。

熱心な中学2年生からの質問は、

アラビアンナイトの計算術

昨日(2017年2月10日)、飯高茂先生の講座の中で、私自身がさまざまな場で必要に迫られて編み出してきた計算術を体系化してまとめている最中のものを「アラビアンナイトの計算術――数のしくみを使って瞬時に速算!」として発表させていただきました。

すでに世の中に知られていると思われるものは省きましたので、少々マニアックフラクタル画像な内容になったように思います。一般の方向けにさらに汎用的なテクニックを織り込んだものを作りたいと思っていますので、感想やアドバイスをいただけるとありがたいです。

下のリンクをクリックしていただければ、発表原稿の PDF ファイルが開きます。

アラビアンナイトの計算術

 

1729 の秘密――ラマヌジャンの1 秒間――

今日 2016 年 10 月 28 日、飯高先生が講座の中で発表の時間をくださり、1729 についての発表をさせていただきました。ハーディから 1729 という数字を聞いた瞬間にラマヌジャン (Ramanujan) の頭にひらめいたことについての一つの仮説を提示しました。1729 が、「2つの立方数の和として二通りに表すことのできる最小の数」であることの理論的な証明と、その背後にある数学的な構造の解明を行いました。

1729 Ramanujan Bangladesh

シルヴァーマン『はじめての数論 : 発見と証明の大航海 : ピタゴラスの定理から楕円曲線まで』

シルヴァーマンのことを書いたついでに。

"A friendly introduction to number theory / Joseph H. Silverman" の翻訳が、同じく丸善出版から 2014 年に『はじめての数論 原著第3版 発見と証明の大航海‐ピタゴラスの定理から楕円曲線まで』として出ているのですが、これは原著第3版の翻訳です。『はじめての数論 : 発見と証明の大航海 : ピタゴラスの定理から楕円曲線まで』

ところが、実は 2011 年に原著第4版が出ているのです。章の組み換えも行われており、新たに加えられた最後の4章分は紙の本には収録されず、著者のウェブサイトに掲載されています。

ハーディ&ライト『数論入門 I』『数論入門 II』

ハーディのことを書いたついでに。

G.H.ハーディ と E.M.ライトの共著 "An introduction to the theory of numbers / by G.H. Hardy and E.M. Wright" の翻訳が丸善出版から2012年に『数論入門 I』『数論入門 II』の2分冊で出ているのですが、これは原著第5版(1979)からの翻訳です。ハーディ&ライト『数論入門 I』

ところが、実は 2008 年に原著第6版が出ているのです。ハーディは1947年に、ライトは2005年に亡くなっていますので、原著第5版はライトがその時点での最新の成果を反映させたものです。原著第6版は、ヒース=ブラウンとシルヴァーマンが編集しています。

 

1729

二人の偉大な数学者ラマヌジャンとG.H.ハーディの出会いと、生涯にわたる共同研究と友情を描いた映画「奇蹟がくれた数式」が10月22日から公開されるようです。

あまりにも有名なエピソードですが、ある日ハーディがラマヌジャンを見舞った際に、何の気なしに「今乗ってきたタクシーのナンバーは 1729 という、特に特長のない数字で、不吉なことの前兆でなければいいが」と言うと、ラマヌジャンはすぐさま「そんなことはありません。とてもおもしろい数です。2つの立方数の和として二通りに表すことのできる最小の数です」と応えたそうです。

私も千曲川の鯉西で 1729 のナンバーを偶然見かけたので、証拠写真をアップさせていただきます。一部ぼかしてあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

天地逆のそろばんについて

11日(日)、日本数学協会の年次大会に誘われて参加してきました。とても有意義な一日でした。

ワークショップとして、田村聡子先生による「珠算をとりいれた算数教科書「そろばんで さんすう」の作成について」があり、その中で、一つのやり方だけではなくて、いろんなやり方を表現できることが大事、いろいろなやり方を自分で編み出していく多様性を育みたい、という発言があり、全くそのとおりと思いました。

"proportionality" の訳語について

2年前、『デジタル時代のコミュニケーション監視 (世界情報社会ウォッチ(GISWatch) 2014)』の一部を翻訳しました。

その中で 「監視との原則に基づいた闘い」を翻訳した際に、"proportionality" をどう訳すかに悩みました。英和辞典では「均整」「比例」などの訳語が並んでいますが、どうも文脈に合いそうにないので、「公正性」と訳しました。"proportionality" は以下のように説明されます。